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こころの耳

こころの耳
早瀬久美 著
2004 講談社

「障害を乗り越えて」という言葉がある。
でも障害を乗り越えたのではない。生まれてから誰にも教わらなかった「聞こえない」ということを自分でやっと理解して、それを自分の心の中に当たり前に受け入れることができた。
そして手話という言葉を手に入れた。聞こえないわたしが、わたしなんだ。
きっとわたしが乗り越えるべきものは、聞こえる人の心の中にある。

この一文が、早瀬さんの立場なんだな、
と読み終えて、納得させられる著書です。

生まれた所は九州の大分ですが、幼少の頃を岡山で過ごしました。
その岡山大学附属病院で検診を受け、当地にあるカナリア学園に通われた由。
私が大学生の頃、同じ街に居たんだ、とちょっとビックリする。

その後、上京し、筑波大学附属聾学校幼稚部を皮切りに、進学していきます。
中学の頃、母親と同じ薬剤師になりたいと思う。
そうして、聞こえないことに理解ある、理系の高校、明治薬科大学へと進み、
又、全日本ろう学生懇談会関東支部(旧、関東聴覚障害学生懇談会:関コン)と出会う。
大学卒業時、何社かに「耳が聞こえません」と書き添えたファックスで問い合わせをし、
返事のあった大正製薬株式会社に一般枠で採用されました。

この後、薬剤師国家試験に合格してからの記述が、本書を手にされた方の狙いで、
それに見合う詳細な推移を読むことが出来ます。
この記述は、しかし、聞こえない子との関わりについての文章と交互になされます。
今のご主人と出会われてからの様々な事が、
薬剤師の事に勝るとも劣らず今の私には大切なのだ、
という早瀬さんの気持ちが込められている。

一般社会で聞こえないものが生活していく為に必要な努力を、
結婚披露宴で身を持って示している辺り、感銘を受けました。
そして、それは、自分のためというより、後に続く聞こえない子等に向けてのものなのです。

日本で最初の聞こえない薬剤師となった早瀬さんご自身の、
この問題についての報告書は、
これから一般社会で暮らしていく聞こえない人への一つの指針ともなっています。
実際には、もっと様々なことがあって、なかなかうまくいかない事が多いでしょうが、
それでも、聞こえない人と聞こえる人とが一緒になって、
社会を営んでいく上で肝に銘じておきたい事が、ここには書かれてありました。

聞こえない人と聞こえる人とが一緒になって、
聞こえない人の住みやすい社会を作る為に、
聞こえる人にも是非読んで欲しい本です。
今、私たちは聴覚障害についての大きなターニングポイントにいます。
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by kimipoem | 2004-11-27 16:42 | 聴覚障害

みんなのこえが聴こえる

みんなのこえが聴こえる
アツキヨ
2003 講談社

アツキヨは、男女二人のデュエットで、
男性が、ギターを弾きながら歌い、
その傍らで、女性がサインボーカルを演じます。
著者は、アツキヨとなっていますが、女性が書いた本です。

彼女は、高音急墜性難聴で、2級の聴力しかありません。
2歳7ヶ月の時に気付き、3歳2ヶ月でそう診断されました。
お母さんは、彼女とろう学校や難聴児対象の小学校にある「こだまの教室」に通い、口話教育を施し、
小学校は普通の学校に通わせました。
いじめに遭いますが、負けん気が強くて、くじけません。
中学一年では学習机をまっぷたつに壊されもしました。
そんな彼女ですが、物心つく頃から歌うことが好きで、
小学3,4年の頃「音が外れているよ」という友達の指摘にショックを受ける。

高校三年の時に見たテレビドラマ「星の金貨」で、初めて手話に出会う。
進学の際、歌姫への憧れから東京に行きたいという思い強く、
筑波大学付属ろう学校高等部専攻科へ進み、
「しゃべらない世界」に入ります。
その頃に、アメリカへ行き、サインポエムに出会う。

卒業後、専攻した歯科技工士にはならずに、普通のOLとして就職する。
でも、人間関係に恵まれず、一人ぼっちの日々が続き、
ダイエットモニターになって過食嘔吐症状に陥るも、自力で治す。
そんなこんながあった後、会社の先輩と一緒に入った手話サークルで、
日本手話に出会う。
それまでの手話は、日本語対応手話でした。

そうして、サインボーカルが生まれる素地が整いました。
これは、彼女によれは、
日本手話の持つイメージ性を強調しながら、
サインポエムから学んだ表現をプラスしたもの、
ということです。

手話歌コンテストや手話劇に誘われるも迷いが残り、
自分は「音楽」が好きなんだ、と確認する。
でも、自分には歌声が欠けている。
しかし、ちゃんと音楽をやれる人と組めばいい、
その人が「声」と「音楽」をやり、
私は手話で「歌」を表現する。
そう、思い至った彼女は、相方を求めてストリートミュージシャンに目を向けていく。
この後は、本を読んでお楽しみください。
〈もうあまり残っていませんが…(笑)〉

後日談

視察に出かけた埼玉障害者国体のふれあい広場で、アツキヨのミニコンサートがあると知り、
以前から気になっていたこの本を急遽読んだ次第です。
コンサート後、買ったCDに目の前でサインを書いてもらい、
キヨちゃんと握手しました♪
柔らかくて、暖かかったよ~。
それはさておき、彼女は2級とは思えないほど、
よく声が出ていました。
難聴者は人ぞれぞれで、誰もが彼女のように出来るわけではありません。
彼女にしても、大変な努力をしています。
天分プラス気質プラス努力、だな・・・と強い印象を受けて帰りました。
帰岡して、手話をする重度難聴の友人の前で、
サインボーカルで、「土曜日、日曜日」のサワリをやって見せると、
「おっ!」と破顔一笑してくれました。
日頃、間違いだらけで下手くそな手話をやっているのとは大違いだったのでしょう。
今までにない表情でした(笑)
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by kimipoem | 2004-11-25 23:18 | 聴覚障害

とんで、わらって、とまどって

番組表で錚々たる顔ぶれを見て驚き、チャンネルを合わせました。
吉田日出子さんでしょう、渡辺えり子さんに、谷川俊太郎さん、そうして、鴻上尚史さん。
こ、これは何なんだ?(@_@)

東京都杉並区立富士見丘小学校で、2004年4月から始まった、総合的な学習の時間の紹介が、
10月30日(土曜日)にNHK教育テレビで、放送されました。
杉並区教育委員会が、日本劇作家協会に依頼し、1年を通じて「演劇」を取り入れるものです。
趣旨に賛同した劇作家協会関係の演出家や役者たちが、次々学校に来て、6年生の“総合”の時間に「演劇授業」をしていきます。

言わば、「課外授業ようこそ先輩」の拡大版ですね(^_^)v
こちらは、一人の先生だけではなく、大勢の方が関わって一年の長丁場で行われるもの。
「課外授業ようこそ先輩」より、ずーっと責任が重くなり、
その大変さが、渡辺えり子さんの授業で伝わってきました。

それとは別に、谷川さんの授業から、学校の先生が教育方法を受け取って活かすケースもあって、
奥行きの面でも深さの面でも、いろいろ考えさせられます。

学校からの紹介が、HPでもされており、
おそらく半年先にされるであろう次回の放送まで待ちきれない方は、
そちらを引き続きご覧ください。
既に、小椋桂さんも授業をされたようです。

総合的な学習の時間つながりで申せば、
我が家の小学生は、能をやっております。
先日衣装あわせをし、その姿を目の当たりにし、
これはなかなかのもんではないか!と感じ入りました(^^ゞ
上の子も能、いや、狂言を、授業で習ったのですが、
その翌年から衣装を用意して本格化した由。
あの立ち居振舞いからだけでも、何かを得てくれればいい、と思います。
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by kimipoem | 2004-11-04 00:16 | 時代